ハゲしい人々
私の 20歳前後のころは
男性でいわゆる『ハゲ』の人というのは
恋愛やお見合いの市場において
非常に 身分がひくかったようにおもう。
20代で若くして、残念ながら
いわゆる『ハゲ』状態に陥った人というのが周囲にもいたが
大概、『タナカ君って知ってる?』
「あ、あのハゲね」とかいうふうに
ハゲであることが彼の最大の「めじるし」として
語られ、どこかコミカルな存在であった。
いや、今にしておもうと
ハゲであること それ自体よりも
それを隠匿すべく、頭頂部の髪の毛を
前頭部にぐ~ん、っと、流す不自然な髪型や
みんなでお昼を食べにいった社食で
ひとり、ワカメサラダにワカメうどんを注文したりする
涙ぐましさが コミカルなのであった。
そして『ハゲコミカル』な部分というのは
仕事上の有能さや
人柄には全く関係は無いのだが
一歩仕事を離れると、やっぱりちょっとコミカルで
自分のハゲをねたにした自虐的なキャラクターを
演じていたりもして
ひそかに気の毒だとおもっていた。
当時の女性誌などでは
『合コンに行ったけど
ハゲ、デブばかりでサイテ~』的な発言が主流で
ハゲはデブと並んで『もてない男』の
2大巨頭であった。
私は不思議なことにハゲには
非常に寛容な女で
20代後半のお見合い行脚時代も
間に入ってくれたお見合い婦人が
おずおずと『この方ね、立派なお方なんですけれどね、
華子ちゃん、、、、髪の毛のこと、気になさる?』などと
たずねてきても、
『ハゲ大歓迎』と応じていたほどだ。
今にしておもうと、別に大歓迎までする必要は無かったが
結婚相手が
ハゲだからといって私になんの被害もない、とは
今でもおもう。
そんなある日、
ちょっとハゲ気味の先輩が
取材にでかけてゆく 私をつかまえて
「おい、華子、おまえ
今日、絶対に笑うなよ」といって去っていった。
「?」まったく意味がわからない。
その日の取材先は
子供の囲碁大会で、当時話題になっていたスーパー囲碁少年に
話をきく、、というものだったので
笑い出すような話ではないのだが、、。
会場についてカメラマンが囲碁の様子を撮りに
行ってしまって、私は主催者である県の囲碁界の重鎮に話を
聞くために
事務局にいき、
出てきたその重鎮と名刺交換をした。
礼をしながら
名刺をもらって顔をあげて、、、!!!!
頭に響いたのは
「はなこ、おまえ、今日、笑うなよ」といったあの「ややハゲ」先輩の
セリフである。
あ、、、無理無理!!噴出す自分を抑えられずとっさに
咳き込んだフリをして『失礼します』と
いったん室外に出て、
呼吸を整えなければならないほど
びっくり・・・。
なんとその『重鎮』氏は
いわゆる「バーコードハゲ」なのだが
そのバーコード状態の髪のスジの間、かいま見える
頭皮の部分を
なんと、、、黒マジックで塗っているのである!!
そして前髪もマジックで書いているのである!!
本人はグッドアイディアだとおもっているのかなんなのか
わからないが
なるほど『遠くから見たときに限って』は、
ハゲにはみえない。
この髪型はこの重鎮氏のトレードマークだそうで
先輩は、去年の大会でこれをみて
知っていたのだった・・。
私もこれまでに
いろんなハゲをみたし
自分がハゲそうになったこともあるが
これほどのハゲしいハゲ人を見たのは
はじめてであった・・・。
ということで
数年間忘れていたこのハゲしいおじさんだが、
昨日、打ち合わせに行った会社で
久しぶりで思い出した。
この会社は今私がかかせていただいている
HPの発注元なのだが
毎回、私に指示を与えてくれる、Iさんという方がいる。
Iさんとは
いつも会社のミーティングルームで待ち合わせをしているのだが、、
昨日も
「やあ、おまたせ!」と入ってきた
その姿に、、、、???!!!
10日前までのIさんは
なんというか、
さらり、、としたやや長い黒い髪のどちからというと
かっこいい、
30歳代の男性だったのだが、、、
昨日のIさんは
海老蔵なみの つるっつるであった。よくみると
頭頂部は完璧にまんまるいハゲ。
残りは剃ったらしい。
驚き凍りつく私に
「あ、これ、もうね、会社でも隠すのやめようとおもって。
カミングアウト!」
私は彼が本当は『若ハゲ』であったことに
おどろいたのではなく
アレが『カツラ』だったということに
まあ、ほんと、たまげました。
いや~、すごいなあ
ハゲを隠すための技術って。
と正直に伝えましたら、、、やっぱりすごく
高価なものをつかっていらしたそう・・。
感心のあまりしばしハゲ談義に花を咲かせてしまった。
バーコードに黒マジックも
Iさんのすごいカツラも
そこに通ずる共通の願いは
ハゲ隠し。
いやはや ものすごい執念である。
それにしても
地肌に地肌にインクの思いっきりもすごいが
ある日突然 カミングアウト、、というのも
ハゲしいぞ。
はやりハゲしく思い切りのいい情熱家タイプって逆に
ハゲやすいのかも・・。
ちなみに
そのハゲ大歓迎の見合いの末 結婚した
わが夫は
『ハゲでデブ』という2大要素を
見事、手中に収めそうな今日この頃・・・。
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コメント
今回はなかなか深刻な話題ですね。
会社時代、アデランスやアートネイチャーの男性かつら作成用のプラスチック樹脂板の開発をやったこともあり、何かと関心があります。(たぶん、今も使ってるよ)
いや~、電車の中、訪問先のお客様、やはり一目で何となくわかってしまうのですね~
まともに見てはいけないと思いつつ、ついつい視線がいってしまう、、先方さんも、顔には出さぬが意識してるみたい。
いっそあっけカランと、ハゲで通せばいいのに、、と思ってしまうが、それは毛がふさふさした人が思うこと、、
投稿: ナベショー | 2007年10月17日 (水) 10時38分
ナベショーさま
「会社時代、アデランスやアートネイチャーの男性かつら作成用のプラスチック樹脂板の開発を・・」
!!そうなんですか~!?
いや、また、おもしろいお仕事をされてたんですね・・。
『プラスチック樹脂板』というのが
いったいどういうものなのか見当もつきませんが、
そういう技術があのすごいカツラをささえてるんですね~~。
いや、私も女性の一人として
かくしてるハゲ、よりも
あっけらかんと出してくれたほうがよほど
キヨイ!と思うのですが、、、。
だめなのかなあ。
投稿: 華子 | 2007年10月20日 (土) 21時42分